「……怖い……藍原さんは暴走族が、怖い?」

「そりゃもちろん。なんかそこら辺にいる不良よりも強そうだし、集団ってイメージがあって怖くない?」


 さすがの私も大勢を相手にするなんて無理だし、暴走族だなんていかにも強そうな相手に敵いそうな気がしない。

 あれ?じゃあ私、どうして町空くんを守る役目を受け入れたの?


 いや、少なくとも町空くんより強いだろうから、それは別におかしいことではないか……でも逆に私が危ないってことじゃない?

 急に危機感を覚え、身震いする。


「じゃあ、もし……暴走族を掌握できたら、藍原さんは嬉しい……?」

「えっ?」

 突拍子もないことを言い出す町空くんに、思わず顔をしかめる。

 暴走族を掌握ってなに?
 なんか、町空くんがイメージとかなり違うのだけれど……もしかして、ちょっと厨二病が入っていたりする?