学校には、多くのタイプの生徒がいる。
 クラスの中心的な存在の生徒がいれば、目立たないよう息を潜めている生徒だっている。

 私、藍原愛由(あいはらあゆ)のタイプは……クラスの顔と言ったところだろうか。

 くっきりした二重の目に、長いまつ毛。
 白く透明感のある肌に似合う、艶のある黒くて長い髪は手入れがされていてサラサラ。

 圧倒的な“美”。
 美しいという文字は、私を指すためのもの。

 高校生活も2年目に突入し、学校で私の存在を知らない者はいない。
 そんな17歳を満喫しているところだった。


「今日も藍原さんは綺麗だな〜」
「ふふっ、ありがとう」

 綺麗、美しい、かわいい。
 褒め言葉は当然受け入れる。