「あぁ、よろしく頼む。陸、車を回しておいてくれ」

「承知」

「では、行こうか花楓」

差し出される手に少し戸惑いながらもそっと掴みながら、己龍さんの顔を見上げ微笑んだ。

己龍さんは、顔を逸らし、口元に手を持っていき、なんだか唸っていた。

大丈夫だろうかと心配になり、桐谷さんの方を見るとニコニコと言うよりニヤリとした顔をしていた。

「いつもこの時間に終わって響さんに送ってもらってるのか?」

「え、あ、はい!大体はこの時間です。私はもっと働きたいんですけど、マスターが許してくれなくて…。帰りはいつもマスターが送ってくれます。」

「だろーな。こんな可愛い子を一人で帰らすわけにはいかないから。」

「可愛いだなんて…そんな…/////」

わぁ…恥ずかしい…。どうしよう。胸がギューってなる。絶対今顔赤い…

「花楓、家はどの辺りだ」

「い、いえ、近くにコンビニがあるので、そこまでで大丈夫です。もう遅いので、ご迷惑になりますので…」

「駄目だ。全く迷惑ではない。頼む、心配だから送らせてくれ」

うっ…/////眉を下げてこっちを見ないで〜!可愛い…。犬見たい。撫でたい…

「では、お願いします。あの…家を見てもビックリしないでくださいね?」