あなたとなら（仮）

カシャ

「これ、若に見せたら面白いことになるから見せてこよっと」

ワザと見せびらかすよに携帯をチラチラさせる。

「え、ちょっ、待って！空さん！！」

そう、空だ。

「やっほ〜花楓ちゃん。
お風呂上がりの女の子っていいよね〜。
ぶかぶかの服にスラッとした生足！｣

顔をにやにやしながら見る。

「なんで空さんがここにいるんすか」

「そりゃ、若が行きたがってたけど急な私情？のせいで、俺が花楓ちゃんを探しに来たわけ」

私情？なんだろう？

「まぁそれより、もうそろそろ夕飯の時間だから、秋、準備しに行きな」

「でも、花が…」

「若の大事な人は俺がちゃんと送るから、
…早く行け」

「！！」

顔を顰め、悟ったように花楓の方を見て
悔しそうな顔をした。

「秋」

「……、分かりました。」

花楓をもう一度見て、すぐに食堂の方へ向かっていった。

「さーて、花楓ちゃん、若の所へ行こっか。風呂場にいないから探してたんだよ」

あ、いつもの桐谷さんに戻った。

「すみません。部屋に行こうとしたんですが、迷ってしまって…」

「あ〜、気にしないで。ここ結構広いから俺もたまに間違えるし。
そ、れ、よ、り、！秋とどういう関係？」

「幼馴染なんです。よく家に来てご飯食べたり、遊んだりしてました。でも、急に家に来なくなって…心配したんですけど元気そうで安心しました！」