“花”懐かしい呼び方…

「もしかして…秋、ちゃん?」

貝塚秋
私が幼稚園くらいからの幼馴染。

ただ、秋とは幼稚園の中で仲良くなったわけではない。

・・・

秋は花楓と同じ幼稚園に通っていたわけでない。まず、秋は幼稚園や保育所、こども園に通っていない。

母親が病気で亡くなって、父と暮らしていた。



花楓が母親の迎えを待たず、公園で遊んでいたところに秋もいた。

1人でずっとベンチに座り、何もせず、ただぼーっとしているだけ。

なんとなく気になって話しかけたが、無視。
それでも彼女は話し続けた。

「なんなんだよお前」

呆れたような声でそう言った。

「かえでは〜かえでって言うんだよ!」

「2回も同じことを言わなくていい…
そうじゃなくて、なんでずっと話しかけてくんだよ、邪魔、帰れ」

ギロっと睨んでくる。

そんなのへでもないように、ニコニコしながら

「かえで お名前言ったから、教えて!」

「嫌」

「じゃあ、かえでのこと教える!!」

「は?いや別にいら…」

「かえで、5歳!えっとねぇ、あそこに毎日行ってるんだー。好きな物は、お花とキラキラしたのとオレンジジュース!それで今が好き!!」