「親父、煌雅です。話があり伺いました」

「入れ」

「失礼します」

一礼する煌雅に花楓も続いた。

煌雅の親父は 『ほぉ』と声を漏らした。

30代くらいにしか見えない顔立ち
髭も生えておらず、鼻筋も通っていてかっこいい。

着物姿だから胸元が若干見えているのがまた色気がある。

「仕事じゃない、楽にしていい」

そう言うと、煌雅が体をくずした。

「親父、今日からここに住む、呉羽花楓だ。」

「は、初めままして!呉羽花楓と申します」

か、噛んだ…/////

「それから、俺が生涯ともにする人だ」

びっくりして、おもわず煌くんの方を見る。

してやったりと口角を上げ、抱き寄せた。

「…………お嬢さん、ここがどういうとこなのか分かっているね。…いつ君が危険な目に会うか分からない。若頭の女となれば、弱みにもなる」

「親父…!!」

「お前は黙ってなさい。」

煌雅をヒト睨みする。
その目は鋭く、一瞬で凍らせるものだった。

煌雅は舌打ちをし、黙った。

「狙われ、拉致され、殴られ、まわされるかもしれない。薬漬けにされて、一生普通の生活は出来なくなるかもしれない。……呉羽花楓さん、あなたにその覚悟はあるか…」