アイドルと私。

と思ったらパシッと腕を掴まれて、

「じゃあ紗莉はずっと俺の前に居てね?」

ってチュッと音をわざと立てながら頬にキスをされ、ビックリしていると

「これはどの皿にいれるの?」

と急に男になったかと思えば、通常の雅人くんに戻ってて、そのギャップに心臓がギューって掴まれる勢い。

「「いただきまーす」」

盛り付けを一緒にやって、大きいダイニングテーブルに運ばれた料理を口に運ぶ。

「んまー!久しぶりに手料理食ったし、紗莉ちゃんが作ってくれたって事で倍上手い!」

本当に美味しそうに食べてくれる雅人くんを見て、作って良かったなって思う。

「あのさ、普段料理しないの?」

「うん、全然しないよ」

「普段何食べてるの?」

「んー、外食かコンビニか、出前かロケ弁かケータリングか。」

「でも一応炊飯器や米は無かったけど、調理器具あるよね?お皿だってあるし、作らないの?」

「それね、頂き物。プレゼントとか共演した人に頂いたりとか。自分から買ったものはグラスやコップぐらいだよ。ってこれもうま!」