アイドルと私。

「あーどうしよう!何すればいいの!?」

終業時間が近付くにつれソワソワし始め、
今は勤務が終わってロッカールームで優衣と帰る支度をしながら相談を持ちかける。

「紗莉先輩可愛いですね!心臓バクバクなんですか?」

おちゃらけた笑顔を見せる優衣に

「からかわないで!」

と言えば

「もう、ご飯でも作って待てる時間まで待っとけばいいんじゃないですか?で、あまりにも遅かったら帰っちゃえば?」

「いいのかなー。留守中にお邪魔しちゃって勝手に帰っちゃっても…」

「だーかーら、信用してるから鍵渡されてて留守中でも出入りしていいって言われてるんですよね?じゃあいいじゃないですか。あ、スーパー行くなら付き合いますけど?」

このまま1人で自問自答するより優衣と一緒にスーパー回った方が気が紛れると思い、優衣の背中を追うようにして、職場を後にした。

「何作ればいいかな?」

色々食材を見定めてカゴに次々いれる優衣と違って、まだカゴに何も入ってない私。


「そんなもん得意料理とか食べさせたい料理でいいんですって。あまり考えすぎて気を使い過ぎると、今後疲れちゃいますよ?ほら、ちょっと肌寒くなってきたし温かい物とか。まぁウチは今日ハンバーグですけどね。」