アイドルと私。

「えー何歳!?!?!?」

「もう、サンドウィッチを口に含みながら聞いてくんな!」

「はい、直樹は落ち着いて食べててね。それで?何歳ですか?」

直樹はあしらったけど、幸ちゃんからの質問はまだ止まらない。

「32歳。7個差。」

汁も飲みきってしまったので、もう俺には逃げるすべがない。

「こりゃまた、年の差だな。」

またこういう所だけポツリと言って、間に入ってくるリーダーは気になるのだろうか。

「7個!?なに、まーは彼女に甘えるタイプなの???」

なんでそんなに目をキラキラさせてんのか。

「こら、直樹はそうやってからかわないの。
そっか、7個上か。お姉さんだな。いい人に出会って良かったな。」

そうやって直樹を諭し、俺の肩をポンポン叩いて、自分の定位置に戻っていった幸ちゃんを見て、あ、これでもう聞かれる事はないな。って思ってたのに、

「どっちが惚れた?」

って聞こえたから声がする方に顔を向ければ、チャーハンを食べ終わって、次は最近読んでいる小説を開いて、目線は小説に向いてるけど、耳は絶対こっちに向けてる。ってリーダーがこういうのに乗るとは思ってなかったから、意外に恋バナとか好きなのかな?

「それはまた今度ー」

って言って、俺は携帯をいじり始めた。