アイドルと私。

「なーんか今日のまー変!」

「確かに、いつもよりやる気があるっていうか、気合いが入っているというか。」

「ね、やっぱ幸ちゃんもそう思う?」

「何かいい事でもあったのか?」

「なーに?彼女?え、まー彼女出来たの!?」

さっきからうるさい。今日は朝から特番の撮影、終わったら雑誌の取材、予定では9時に終わる予定だけど、それよりもっと早く終わりたい。今は特番の間の昼休憩。そりゃ早く帰りたいから頑張っているが、こうも弄られるのは嫌だ。それに珍しく幸ちゃんも直樹に便乗して乗っかってくる。

「うるさい。」

「わー!否定しない!彼女出来たの!?」

「まーそうなのか?」

直樹が言って、幸ちゃんがそれに乗っかってきて、リーダーは新聞紙なんか広げちゃって、間には入ってこないが、あの顔を見れば分かる。耳は絶対こっちの会話に傾けてるな。

「そんなん言ってなんになる?」

「はーい!俺恋愛相談に乗るー!」

「直樹に恋愛相談…まぁ情報を共有しとくのは大事だよな。もしまーに彼女が本当に居るなら、今後週刊誌に撮られた時の対応とかは必要になってくるし…」

まぁそれは一理ある。直樹には俺も恋愛相談はしたくないけど。

「あ、俺彼女居るよ」

はい!?今ポロッとリーダーは何を言った?