アイドルと私。

〜エピソード5〜

「緊張してるの?」

隣で直樹がちょっと楽しそうに聞いてくる。

「まぁ誠意が伝われば分かってくれるよ。」

幸ちゃんは本当にお母さんみたいな立ち位置。

「大丈夫です、雅人くんを始めskyの皆さんはここ1年本当に頑張りましたから、社長も認めてくれるはずです。」

何故か1番緊張しているマネージャーが、自分を言い聞かせるかのように諭してくれる。

リーダーは相変わらず皆の発言を聞いて黙って頷いてる。

「てゆーかなんで皆付いてくるんだよ!?」

今日はいよいよ社長に結婚の許しを貰いに行く日。マネージャーと二人で行こうと思ってたのに何故かメンバー全員付いてくる始末。

「だって楽しそうだし、なんか言われたら反論出来るように!!」

直樹は本当に心底楽しんでる様子。なんだろ、こいつが居ると調子が狂う。

「まぁーまぁー、何かあったら1人や2人より4人の方が太刀打ち出来るかもしれないよ?」

幸ちゃんは本当に心配で付いてきましたって感じだけど、リーダーは…?

「あ、俺は自分の結婚の時の参考に。」

なるほど。リーダーからしたら俺は実験台か。

「そういえば沙莉ちゃん連れてこなかったの?」

ずっと楽しそうに聞いてくる直樹がウザイ。

「お前さ、俺の大事な日なの。あんまおちょくんな。」

「そうそう。今日はあまりふざけたらダメだよ。」

幸ちゃんが間に入ってくれてなんとか不穏な空気にならないようにしてくれて、緊張する気持ちを落ち着かせる為にゆっくりと息を吐き出した。