アイドルと私。

「そうなの?じゃあ急にどうしたの?」

ん?急にどうしたってなんの事だろう???

「紗莉ちゃんがそんなこと言うなんて珍しいもん。」

ジィーっとまっすぐな目を向けられ、あーこの子は単に本当に心配しているだけなんだなと感情を読み取る。でも心配って…ただ純粋にこんな可愛い子を世に放たれたら世界中の可愛い子や綺麗なお姉さんが黙っているわけがない!となんでか分からないけど雅人くんの貞操が心配になったわけで…

「俺は紗莉ちゃん大好きだよ???早く同じ苗字にならないかなー!」

なんて言葉が隣から聞こえてくるから雅人くんから女性を誘う事なんて絶対ないんだろうけど…ほら、世の中には沢山の人が居るわけで…中には肉食系女子も居るわけで…私の知らない所でそんな事になったら助けられないわけで…だからさっきあのように言ったんだけど、ちょっと私がヤキモチ妬いてると勘違いして、嬉しそうに鼻歌歌いながらベーコンやキャベツなどを切っていく雅人くんには真意の事は黙っておこう。でもたまには…

「私もね、雅人くんが本当に大好きだよ?いつもありがとう。」

とたまには素直になって言ってみたりする。そうするとあまり私から言葉の愛情表現をしないので、ほんのり耳を赤くしながら照れるキミがそこには居た。