アイドルと私。

んーっとしばらく考えた後

「分かんない。なに?」

と聞き返すと

「例えばまーが倒れて救急車で運ばれたとするじゃないですか。その時、彼女の立場だったら連絡貰うのって結構後だと思うんです。家族優先っていうか。だけど結婚して、嫁だった場合はどうです?優先順位として結構上位に入ると思うので、連絡貰えると思いますけど。」

なんて答えながら料理を口に運ぶ優衣に対し、

「雅人くんが倒れるとか絶対嫌だけど…でも優衣の言ってることは分かる。でもそれって私からプロポーズするの?」

「んー、仕向けるとか?まーが優衣先輩にプロポーズしてくれるように?」

「それはどんな風に?」

空になったグラスに水を注いで聞くと

「それはちょっと分からないです。」

なんて言われる始末。優衣は悪びれる様子もなく、モグモグとご飯を食べている。

「分からないって…そこが1番大事なんじゃないの?」

「いやー、分かってたら私も良にプロポーズされてますって。あれ?なんであいつはいつまで経ってもプロポーズしてくれないの?まさか結婚するつもりないとか!?」

良くんを思い出し、ボルテージをあげる優衣を宥めながら、ふと考える。