アイドルと私。

「沙莉先輩〜乗ってください。」

休日、家の下に迎えに来てもらった優衣の車に乗り込むと

「あれ?良くん?」

「こんにちは。俺家電詳しいから役に立つかなーって。有給消化もしないといけなくて、着いてきちゃった。」

「ごめんなさい、勝手に連れてきて。この人家電オタクで。沙莉先輩の役に立つかなーって思ったので、連れてきちゃいました。」

「いやいや全然!ありがとう!ってかむしろごめんね?せっかく2人でデート出来たのに…」

「あー紗莉先輩それ言うの無しです。てか、良も家電屋に行けるから有給使っただけで、それが無いと仕事行ってたので、気にする事はないですよ!」

あー優衣と仲良くなれて、慕われて貰って良かったなって思う。最初は明る過ぎて時々うるさい子だなーって思ってたけど、実際喋ってみると明るくて時々うるさいのは変わらないけど、優しくて気使い出来て、時々甘えん坊で。しっかりしてるように見えるからこそ、このギャップも可愛い。

「沙莉先輩急に黙ってどうしたんですか?体の調子でも悪いんですか?」

「ううん、優衣っていい子だなーって思っただけ。」

「なんですか突然!もう出発しましょ!」

照れる優衣にお礼を言って、優衣の運転で車は進み出した。