アイドルと私。

雅人くんが主役を演じてる恋愛映画も見に行った。お昼ご飯も、映画のチケットや飲み物も全部出してくれて、申し訳ないと思うのに「クリスマスぐらいカッコつけさせて」って言うからお言葉に甘える事にした。いつもご飯作ってくれるお礼とも言ってくれたし。

「あー恥ずかしかった。」

映画館を出て、まだ時間はあるので、イルミネーションを見に街中を歩く。

「なんで？カッコよかったよ。」

うん、カッコよかった。素敵だった。キュンキュンした。でもその分沢山嫉妬もした。キュンキュンとチクチクが交互に私の胸を刺激した。

「でも紗莉ちゃん楽しそうな顔してない。どうしたの？」

えっ？これからの仕事の影響にならないように、あくまで分からないようにしてたのに、気付いちゃったのかな？

「ううん、素敵だったなーって感動してるだけだよ？」

「嘘でしょ。なにかあった？言わないと俺ここから動かないよ。そうするとイルミネーションも見に行けないし、パーティーも行けないよ。」

そう言って歩いてた足を止めて、じぃっと私の顔を見つめてくる。でも繋いでいた手はそのままで、なんだかそれだけの事なのに凄く嬉しく感じる。