アイドルと私。


バタバタしながら出掛ける準備をして、いざクリスマスデートに向かう。

「これ、温かいね。ありがとう!」

「どういたしまして。」

私からのクリスマスプレゼントは凄く悩みに悩んで、マフラーにした。芸能人の方だし、欲しい物は自分で買ったり、プレゼントされるだろうから…って何がいいか最初は全く思い浮かばなかったけど、小物系なら色んな用途に使えるし、気分で使い分けも出来るし…って辿り着いた先はマフラー。コーディネートによって変えたり出来るし、寒いので冬は使える。でも冬だけに使えるものは申し訳ないので、気持ち程度のペアマグカップを用意してある。ただそちらはまだ渡すタイミングが分からなかったので、実は家を出る時こっそり枕元に置いてきた。喜んでくれるといいな。

「んふふ、俺の首元は紗莉ちゃんのプレゼントで温かいし、紗莉ちゃんの指は俺のプレゼントで輝いているね!」

もう、なんでそんなにストレートに言えるのかな?本当にどんどん好きが溢れちゃう。でも、冷静を保って、

「しぃ!バレたりしたら大変だよ!とりあえずお腹空いたから早く行こ!」

と歩くスピードを急かした。