その日は、いつもよりも忙しい日だった。

あちらこちらで、様々な出来事が起きていたから。

僕は【死神】と呼ばれる仕事をしている。

簡単に説明をすれば、霊能力のような力を持った人のことだ。

ただ【死神】は、霊能力とは少し違う。

例えば、電車に跳ねられた人の体だったモノを集めたりもする。

樹海に入り込んで自殺をしようとした者を見つけ出したりもする。

そういう関係のことなら『何でも』するのだ。

戦地に赴いて、救われぬ魂の救済を行ったり、自分が危険な目に合うと分かっていても、僕達【死神】は仕事をしなければならない。

それが、国が定めたことだから。

嫌なことでも、嫌とは言えない。

この世界が少しでも平和であり続けるために。

それが、当たり前の世界だから。

だから僕達は今日も、自分を犠牲にして仕事をこなす。