私はとにかく松田さんに少しでも元気を与えられる存在になりたい、

そう思った。




だって、好きな人には笑っていてほしい。




好きな人が辛いことを抱えているのなら

支えてあげたい。




だけど、ただの客でしかない私には何もできなくて…




店に行くたびに
松田さんの笑顔を見ると切なくなった。





このまま…


どうすることもできないのかな。







「どっか、デートに誘えばいいじゃん!」


悩む私の隣で沙織は学食のランチを食べながら言う。



『え〜っ。だって彼女さんのことがあったのに…絶対断られるよぉ。』



「そんなの誘ってみなきゃわかんないじゃん!まずは友達から!ねっ?明希が励ましてあげなよ。」




『んー。』






悩んだあげく

私は松田さんをデートに誘うことにした。


デート…ってゆうより
少しでも力になりたいから…
元気を出してもらおうって。