嫌な予感を抱きながら、友達に止められたけど律貴のあとを追った。
「はぁ、はぁ…………律貴………」
気づかれないように追っていたけど、だんだんと歩く足が早くなり、最後は駆け足になって追いかけていた。
ついたのは中庭。
あれ…………友達と一緒に食べるんじゃなかったの?
追いかけている時には夢中で気づかなかったけど人通りの少ない中庭についていた。
律貴は中庭にあるベンチに座っていて誰かを待っているようだった。気づかれないようにそっと盗み見る。
「う、そ…………」
しばらく見入っていると、一人の女の子がベンチの方に駆け寄っているのが見えた。
長い黒髪が特徴の小さくてふわふわした可愛い女の子。おそらく後輩だろう。
その子は律貴を見つけると、にっこり微笑み律貴の向かい側に座る。
「やだ、やめて………。律貴と仲良くしないで………!」



