「楽しみだね、デート♡」
「は、はい………!」
頭の中がデートのことでいっぱいいっぱいになっていたけど、その後のことはほとんど覚えていなかった。
***
「やったじゃん。柊先輩とデート権をゲットするなんて、琥珀やるね!」
「いやいや、そんな喜ぶ所じゃないからぁ!」
「一体何が不満なのよ。これは柊先輩と仲良くなるチャンスなのよ?」
土曜日。
私は、由香にデートのことで相談するために、部屋に招いた。
部活は午後からあるっていうので午前中だけになるけど、私にとってはありがたい。由香とこうして部屋で話すなんて久しぶり。
しかも、私からの相談なんて。
今週はいろいろあったので、とりあえず整理しようと由香に報告をしていたのだ。律貴先輩と昼休みを過ごすことになったので由香と話す機会は少なくなった。
それでも私から離れないで、友達でいてくれる。



