私は誤魔化すように笑ってそう言いながらスマホで予定をチェックするフリをした。
うわー…………テンパリすぎだろ。こんなんで先輩と誕生日なんて過ごせるだろうか。
き、緊張してきた。
「うん。よろしくね。テストのご褒美が琥珀とデートなんて嬉しいなぁ」
1人で緊張していると、律貴先輩がサンドイッチを頬張りながら、ボソリとつぶやく。
ん?
今、なんて?
「律貴先輩、今、デートって言いました?」
「ん?言ったけど。それがどうかした?」
「いえ、別に………」
ちょっと待って。
律貴先輩とデ、デートって…………!
そうか、そういうことか!
いまさらだけど頭がそう理解して全身の熱が頭にいったかのように熱くなった。
私、デートしたことないよ………!
ど、どうしよう!
由香ー!
頭の中は軽くパニック状態。何とか冷静を保とうと律貴先輩の前では顔に出さないように必死に口角をあげる。



