少しの沈黙の後、律貴先輩はゆっくりと私に近づいて、口を開いた。
「愛の予感、純粋な愛」
「〜〜っ、!」
耳元で律貴先輩の声が響く。その声がなんとも色っぽくてくすぐったかった。
「律貴先輩、もしかして………」
「ふはっ、やっと俺の気持ちに気づいてくれた?鈍感で天然な琥珀ちゃん」
「はい…………」
いつもより近い距離で話されるから、ぞくぞくする。心臓はもう激しく脈打っていて今にも倒れそう。
多分だけど。
1パーセントの可能性だけど………律貴先輩は……私のことが、好き………?
「琥珀」
「…………はい」
観覧車が1番上のところに差し掛かった頃。私は律貴先輩と見つめあっていて。
溶けそうだった。
「俺、琥珀が好き。人付き合いが苦手なとこも、俺と一生懸命向き合ってくれようとしてくれるとこも、円香とのこともちゃんとまっすぐ向き合ってくれたとこも。全部、好きだ」



