ほとんど無意識に言葉が出た。
律貴を独り占めしたい。そんな思いが湧き上がってくる。
律貴を見てみると、頬をほんのりと赤く染めて、女の子と話していた。
楽しそうに、嬉しそうに。
それを見て私は悟った。
…………ああ、律貴はあの子のことが好きなんだな。
薄々気づいていた。律貴に好きな人がいるんだって。だけど認めたくなくて。私の知らない律貴が増えていくのが怖かった。
「律貴…………」
涙が溢れる。
その瞬間、私の片想いが終わった。想いを告げることなく、片想いは終わったのだ。
なんだ。
両思いじゃん。幸せじゃん。
私なんか邪魔でしかなかったんだ。
苦しい。苦しい、苦しい。
誰か…………助けて。
「う、…………ヒック……律貴ぃ……」
胸の辺りが苦しくて。その場にしゃがみこんで泣き続けた。
もう、終わりにしよう。
