さくさく。サクサクサクサク。

談話室、豚平さんと二人でクッキーを食べながらポツポツと話していた。


「そーいや、豚平さんは最近俺と話してますよね」

「確かに、そーいやそうやな」


ほんのり甘いクッキーがこれまた美味しく、伸ばした手が止まらない。


「なんでっすか?」

「……なんでって言われてもなぁ……」


クッキーを食べるのを止めた彼が、考え込むように口元に手を近づけた。


「努君、おもろいから?」

「なんで疑問形なんすか」

「……うん、せやな。おもろいわ」


自己完結している豚平さんを見ながら、クッキーを食べる。

猫とか犬のクッキーも美味しいが、これはまたこれでおいしい。


「話してるとおもろいし、ユーモアもあるしな」

「ありがとうございます?」


褒めているのか分からなかったので、とりあえず疑問形で返す。

困っている俺の表情に気づいたのか、彼がくふくふと笑い始めた。


「おもろいわ……」

「そういう豚平さんやって、表情が顔に出とりますよ」


少しむっとしたので、言い返そうと指摘した。

だが彼は気にしないように、クッキーを食べていた。


「そうなんか。なら、良かったわ」

「?何がっすか?」

「こっちの話や」