スノーホワイト・テリトリー




(もうまた……最悪、最悪、滅してやる……)


記憶が正しければ、そのようなことを唱えていたはずだ。怖かった。


『あの、さ……クラスに気の合う奴とかいないの? 人当たりいい感じだし、出来るでしょ、その内』


その場凌ぎの慰めだった。


が、これがどうやら彼女の心に火を灯したらしく、『じゃあっ、わ、わたしと、お友だちになりませんか?!』と俺は手を取られた。


光栄至極———
と、当時思えていなかった事がもはや、流罪(るざい)に等しい。


『お、れ……より、もっと相応しい相手がいるんじゃないの?』


前言撤回、死罪に等しい。悔やんでも悔やみきれない序章は、この台詞に寄るところが大きい。


野蛮な拳が冷たく華奢な天使の両手に包まれたというのに、俺はさらに愚見(ぐけん)を放った。


『髪もこんなんだし、ピアスも空いてるし、喧嘩とか全然するし、』


こんな重たい女と友だちだなんて、面倒極まりない。


木漏れ日に透ける、分厚い三つ編みに視線を落とし、愛想笑いを張り付けた。君とは馴れ合う場所(せかい)が違う、と言いたかった。