『よくサボんの?』
俺は平静を装った。
『実は……ハイ』
『俺は、今日はじめてサボった。いつもは中でサボってる』
『なか?』
『授業受けてるフリ。単位落としたら困るしな』
『単位……な、なるほど……』
まさか、盲点だったのか。
緑風が吹く。微かに捲れたプリーツと見開かれた瞳に、色々な意味でドキドキした。
『……なんでサボんの?』
『勉強は得意ではないので』
『意外、だな……』
『聡明に見えますか?私』
『見えます』
敬語につられ、『あ』と口を覆う。芯を動かさないまま立ち上がった彼女は、悪戯にその様を真似た。
薄い掌の奥で、きっと微笑んでいる。想像上の彼女も、とても可愛かった。
……スキンシップにギャップ萌え、ミラーリング効果。
天然でやっているとすれば(いや、天然に決まっているのだが)、合コンの猛者になり得る器だ。



