『ピアス、キラキラ』
左側の髪がゆっくり耳にかけられて、不覚にも心音が早まる。
キラキラしてるのは君の瞳の方じゃん、と放ちたかったが、石と化した俺は不能だった。
『っ、』
小さな爪先が耳の輪っかに触れて、唇を噛む。反応を懸命に堪えた。
あんな健気なことを放っておいて、もしや男慣れしてんのか? 無害極まりない風貌で、案外そういうタイプか。すべて、もしすべて、打算だとすれば———
『ピアスは、“悪い” の特徴にはなりませんよ』
一年後には天使と讃える彼女を不躾に “小悪魔” と宛がった瞬間、目の前で小さく角度をつける小首に、思わず胸が鳴いた。
同じ音で、喉を鳴らした。
……なんだ。それで キラキラ、か。
『校則違反だけど』
『甘い響きですよね。“校則違反”』
『いや、そうじゃなくて』
『私も、友だちと校則を破ってみたいです。校則に縛られているうちに』



