「きゃあああぁぁぁ!!!」

何処からかは分からないが、一瞬女の悲鳴が聞こえた。
今度は怪物か?それとも何か悪い行いをしている浪士や、新選組の隊士にでも絡まれたか?

とりあえず、僕は階段から降りて、寺田屋を出た。
すると、龍馬や秋葉ちゃん、そしてかのちゃんや女将さんもついて来た。

「どっから聞こえたんだ!?」
「恐らく山崎町からかと…」
「なら、そっちに向かう!」

いざ向かおうとすると、龍馬に「待て!」と阻まれた。
僕は口角を尖らせ、そっぽを向いてムスッとしている表情に切り替えた。

全く。人が困っていて、助けに行く最中だってのに…

「山崎町に行くなら、儂が案内しちゃる。」

…ん!?そういう事だったのか!?
僕は急にパッと、顔が真っ赤になり、龍馬に「申し訳ない、かたじけない」と心の中で必死に何度も龍馬に謝った。