「あーー!!かーたーこりーー!!」

人に苛立ちをぶつけているかの様な声で、僕は叫んだ。
すると、いきなりドタドタと大きな足音がする。

誰かが僕がいる部屋に、何か伝えたい事があって急いでいるのだろうか?

「誰だー?」
「儂じゃー!!」
「児玉さん!!」
「鈴!」

昨日の武士達の右側にいる女の子達が来た。
…見覚えはある。が、名を何故か思い出せない。
想起しようとしても、中々頭が痛くなってしまう。

「ちょちょちょ!!待って!?その二人の女の子は誰!?」

とりあえず必死に思い出そうと、慌てて二人に聞く。

「い、い、いいい、石田 奏音(いしだ かのん)です…」
「俺は高砂 秋葉(たかさご あきは)。鈴の彼氏だよ。」

一人目の女の子は、“石田奏音”、というそうだ。
もう一人目の女の子は、“高砂 秋葉”、だそうだ。