文久三年 千八百六十三年 三月十四日

チュンチュン…

(すずめ)の鳴き声が聞こえる。
僕は上半身をむくりと起こした。

しかし、僕の視界には誰も居なかった。
どの方向を向いても、居なかった。
また、昨日ポニーテールに結われていた髪型は、いつの間にかすっかり解けていた。

「おはよう、鈴蘭。」
「あ、どーも。おはようございまーす…。」

僕は少年に対して低く、だるそうな声で挨拶を返した。
昨日の戦闘の事もあった訳か、僕の疲れはまだあまり取れていなかった。

そして僕はすぐにばたりと布団の上に寝っ転がった。