永遠など有り得ない。



そう、私は知っていた。




彼女が薔薇を摘んだ時、指から血が一滴も滲んでいなかったことも。

何故なのか。



私は閉じ込めていたのだ。



彼女の全てを。



温かい思い出を。
楽しかった頃の思い出を。
あの笑顔を。

全て。


そうして憎しみだけを残した。



憎めば、温かな思い出など思い出そうとはしないから。







私の大好きなエヴァ。

大切な妹。






お前は、何年も前にいなくなったことを、私は忘れ去っていたのだ。