その結果がこの様だ。

拘束されて自由に身動きが取れない上、ハニーの姿が見当たらない。
おそらく別の部屋にいるのだろう。

もしかしたら何かあったのかもしれない・・・。

最悪の事態を想像するが、あの約束を思い出してそれを振り払った。


簡易な造りの小屋のような建物。
その一室にアリスは捕らわれていた。

そこにはドアが一つだけついているだけで、他は何も無かった。
人の歩く気配がする度に床板がギシギシと音を立て、この建物の造りの悪さが伺える。


すると突然にドアが開いた。

そこから来たのは、アリスの待ち焦がれたハニーだった。
しかし猿轡をされたアリスは言葉を発することもできず、ただ呻く様にしてハニーの名を呼んだ。


「アリス嬢っ!」


既にハニーは拘束を解かれており、すぐにアリスの猿轡を外した。


「ハニーっっっ!!!」


体当たりでもするかのようにアリスはハニーの胸に飛び込んだ。
その頭に温かな手を添えてくれる。

アリスはつい涙しそうになった。


「感動のご対面たぁこのことだな。涙が出るぜ。」


その言葉でアリスは涙も吹き飛ぶ。

自分とハニーをさらった張本人がドアに寄りかかって立っているのだ。
アリスは睨みをきかせた。


「まぁまぁそんな睨むんじゃねえよ、お譲ちゃん。
これから大事なお話をしようってとこなんだよ。

なぁ、野うさぎさん。」


その言葉にハニーも睨みをきかせる。


「さぁ、本題へと移ろうか。」


男はそう言ってドアに鍵をかけた。