背中を冷や汗が流れていった。
ハニーは無言で真っ直ぐ前を見据えている。
アリスは今にも膝から崩れ落ちそうだというのに・・・。
「宝珠を授かることが出来るということは、即ちプレザンスを統治する権利があるということ・・・。
今やこの世界は崩れかかっておる。
長い年月を過ごしすぎたせいか、宝珠を失った故なのか、国と国との隔たりが大きくなりすぎてしまったのだ。
或る国は文明が発達し、或る国は衰退の一途を辿り、また或る国は人間では無い者達が国を治めている。
それだけならまだしも、今ではその国と国とが衝突を見せているのだ。」
ハニーは未だ一切表情を変えずに立っていた。
アリスは見えないようにハニーの服の裾を強く握った。
このままではなんだか心が折れてしまいそうな気がしたからだ。
「今、プレザンスは大きく分けて三つの勢力に分けることが出来る。
一つは嘗ての宝珠の所持者を支持し、新たな宝珠の所持者に統治を願う者。
即ち“暁の勢力(あけのせいりょく)”。
一つは宝珠に縋ることなく新たなる統治者を支持する者。
即ち“宵の勢力(よいのせいりょく)”。
最後の一つはどちらともつかない、中立の国。
宵の勢力の統治者は強大な力を持ち、そなたを欲している。
宝珠は人間の使い方次第でどうにでもなるのだ。
善き者が使えば善き世界に、悪しき者が使えば悪しき世界に・・・。
宵の勢力に宝珠を奪われた時はこの世の終わりと考えよ。
宝珠の力は我々が創造するよりも強く、重いのだ。
その力はここプレザンスに留まらず、他の次元にも被害を及ぼすであろう。」
あまりにも規模の大きい話に、アリスは眩暈がしそうだった。
足元がぐらぐらとする。
駄目だ・・・立たなくては・・・。
ハニーは無言で真っ直ぐ前を見据えている。
アリスは今にも膝から崩れ落ちそうだというのに・・・。
「宝珠を授かることが出来るということは、即ちプレザンスを統治する権利があるということ・・・。
今やこの世界は崩れかかっておる。
長い年月を過ごしすぎたせいか、宝珠を失った故なのか、国と国との隔たりが大きくなりすぎてしまったのだ。
或る国は文明が発達し、或る国は衰退の一途を辿り、また或る国は人間では無い者達が国を治めている。
それだけならまだしも、今ではその国と国とが衝突を見せているのだ。」
ハニーは未だ一切表情を変えずに立っていた。
アリスは見えないようにハニーの服の裾を強く握った。
このままではなんだか心が折れてしまいそうな気がしたからだ。
「今、プレザンスは大きく分けて三つの勢力に分けることが出来る。
一つは嘗ての宝珠の所持者を支持し、新たな宝珠の所持者に統治を願う者。
即ち“暁の勢力(あけのせいりょく)”。
一つは宝珠に縋ることなく新たなる統治者を支持する者。
即ち“宵の勢力(よいのせいりょく)”。
最後の一つはどちらともつかない、中立の国。
宵の勢力の統治者は強大な力を持ち、そなたを欲している。
宝珠は人間の使い方次第でどうにでもなるのだ。
善き者が使えば善き世界に、悪しき者が使えば悪しき世界に・・・。
宵の勢力に宝珠を奪われた時はこの世の終わりと考えよ。
宝珠の力は我々が創造するよりも強く、重いのだ。
その力はここプレザンスに留まらず、他の次元にも被害を及ぼすであろう。」
あまりにも規模の大きい話に、アリスは眩暈がしそうだった。
足元がぐらぐらとする。
駄目だ・・・立たなくては・・・。


