゚・*:Plesance Sinfonia:*゚・

風呂から上がって真っ白なサンドレスに身を包んだアリスを見て、ハニーはにっこりと微笑んだ。


「お湯加減は如何でしたか?」


「すごくよかった。ありがとう。」


ドレッサーの前へと促され、アリスは腰をかけた。

鏡に映った自分を見るとかつての自分を忘れそうになった。
鏡の中の自分はまるでどこかのお姫様のようだ。

ハニーはアリスの髪を櫛で梳かしつつ、水気を拭き取ってゆく。


「ねえ、ハニー。」


「なんでしょう。」


「なんでそんなに優しいの?なんで私によくしてくれるの?
だってさっき出会ったばっかりだよ?」


アリスが鏡越しに問えば、ハニーはクスリと笑った。


「それが私の命であり、運命であるからです。」


「だからってこんなことまでしないでしょ。」


「しますとも。アリス嬢の命ならば全て聞き入れます。」


「じゃあ私が死ねって言ったら?」


そこでハニーは少し手を止めた。
しかしすぐに手を動かし始める。


「それがお望みならば、私は命すら惜しくはありません。」


アリスは眉間に皺を寄せた。


「馬っ鹿みたい。
そんな簡単に死んだら承知しないから。」


ハニーは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をし、そしてすぐに微笑んだ。


「仰せのままに。」


髪が乾くとアリスは着替えるようにハニーから言われた。

真っ白なサンドレスを脱ぎ、アリスは新品の服に袖を通した。