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「紳のやつ、ありゃ、日和に本気だな…」

「紳が日和さんとなんだって……」

「あぁー、いい。哉汰はいいぞ」

「なんで、俺はいいんだよ!もう俺だって諦めてるし、あの二人の関係わかってるからいいよ…。もう、別に……」

みつると哉汰は隣同士でメリーゴーランドの馬の形の乗り物に乗り込んで会話をした。みつるは何やら考え込んだように、言う。そして、哉汰の役目は終わったかのように哉汰にヒラヒラと手でやった。それを見た哉汰は落ち込みながら言い返した。

「なんかな〜、俺納得しないわ…」

「何が………?」

みつるは棒から手を離し、腕組んで言った。哉汰は涙目にしながら、聞く。

「紳のやつ、何かもったいないことしそうなんだよな〜。俺らのこと軽くしか思ってねーのかな。……わわっ」

みつるはそう言うと、バランスを崩したのか、ふらつき、バッと棒に両手で掴んだ。


「軽くしか思ってない…。紳ってそういうやつじゃない?」

「それじゃあ、俺らが悲しいってーのっ!」

と哉汰にみつるはどこか紳に立腹したい様子で頬を膨らまし、大きな声で言った。だが、紳には聞こえていないようだった。


哉汰はその意味を理解していなく、キョトンとした顔でみつるに顔を向けた。