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叶華は俺の手をギュッと応えるようにして握ってくる。そんな小さな手が可愛くて、俺はすごくうれしいんだ。みつるたちがついて来るのは鬱陶しいけど、なんだか、俺を思ってのことで一緒に来ているらしく、こいつらの性格の良さを感じた。ただ、邪魔はされたくないな…。それと、俺は下手くそなんかじゃない。そこが、ウザイんだよな………。なんて、いっか。
俺は叶華に声かける。
「叶華……、何に乗りたい?」
「どうしようかな〜、私、最初にメリーゴーランドに乗りたいな」
と叶華は元気に、照れて言った。メリーゴーランドか…。保育園の時にも叶華と乗ったな。
あの時もうれしそうに俺と手を繋いで乗り込む叶華がかわいいって思ってた。叶華のことが好きだった。今なら、この気持ちを素直に言えるんだ。今なら叶華もよく分かってくれる。受け止めてくれるんだ。
俺は叶華の手を離さない。叶華の歩幅に合わせ、軽やかに色とりどりのメリーゴーランドへと足を運んだ。
そして、俺と叶華が乗り込んだメリーゴーランドの乗り物はピンク色のかぼちゃの形のした馬車の乗り物だった。
叶華はとてもうれしそうに俺に微笑む。俺もそれにつられて、笑顔で返す。この関係がずっと、これからもずっと続いていってほしいと強く思う。
もう、誰にも邪魔をされたくないんだ…。分かってくれる人だけでいいんだ。あとの周りのやつらは関係ない。

