遊園地前まで、電車は向かう。それまでには立ち替わりに乗る人、降りる人が出入りし、椅子に座れることになった。

私は紳くんと手を繋いで、座った。奈義くんと須山くんも空いている椅子に気が付き、私たちの向かいの椅子に座った。2人に目をやると、仲良さげに手を繋いでいた。

私がそんな2人ににこにこと微笑ましく見ていると、紳くんは気にくわなかったのか、私の顎をクイッと持ち上げ、キスをした。

その場を見た、奈義くんと須山くんは驚いた顔をして、目を大きくする。そして、顔を赤らめ、下にうつむいた。

私は奈義くんと須山くんに見せるようにキスした紳くんに私は少しばかり注意した。

「紳くん、今のはないよ!」

「だって、叶華がみつると秦汰を見て笑ってるのがいけないんだろ…」

とうさぎの耳が垂れたように、紳くんの左右に跳ねてる髪の毛がしゅんと垂れた。

私はそんな紳くんの姿にいたたまれなくなって、紳くんの頭を撫でた。