お兄ちゃんなんか、俺は嫌いだ。お兄ちゃんがいなければ、良かったのに……。

俺は卑屈な気持ちが浮かんでくる。そんな俺にも俺は傷ついた。ひどいのはどっちだろう。俺なのかな…。

俺は自分の部屋に引きこもり机に突っ伏した。

叶華……。叶華ならそんな俺のことも好きかな…。


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紳くんは傷ついてるかな。紳くんはどこか陰りがある。その陰りを私は取り払うことができるのかな。私が紳くんの痛みを全部知りたいし、分かりたい。紳くんが大好きだから。

紳くんは私の大切な人。誰も代え難い、大切な人……。もう離れたくない。

紳くんを守るのは私の役目なの。どんなに奏お兄ちゃんが私と紳くんとの関係を好まなくても、関係ないの。

私は紳くんとの関係を続けたい。ずっと、ずっと。この先ずっと…………。

紳くんが私は大好きっ!


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俺は叶華変わりの大切なうさぎのぬいぐるみのももちゃんを抱きしめて、ベッドに寝転がった。

「叶華……。好きだ。早く、会いたい」

俺はそんなことを呟きながら、ぬいぐるみのももちゃんにちゅっとキスをした。

ぬいぐるみにキスしても俺の心は満たされなかった。叶華の温もりを感じたい…。もっと近くで、もっと抱きしめていたい。

叶華…。叶華……。叶華…………っ!

俺は叶華と心の中で呟きながら、俺はギュッとぬいぐるみに抱きついて、眠りに落ちた。


─────「紳くん…、私、ダメって言われちゃったの。ごめんね…。紳くん………。」───────


叶華…、そんな………。俺の前からいなくなるの…。嫌だ。行くなよ。ずっと、俺のとこにいてよ!

奏お兄さんのいうことを聞くのかよ!!!

―――

「「かのかーーーーーーーーーーっ!」」


俺は大きな声で叫んで、目を覚ました。

「ゆ、ゆめ……。夢だった…のか」

「うるさいぞ〜!紳っ!」

とドアをバンッと開けた凛斗お兄ちゃんが来た。

「ごめん、お兄ちゃん…。それと昨日のことも……ごめん」

「あぁ、いいよ。俺も悪かった。俺のせいで紳に負担かけさせてた部分もあるよな…。ごめん」

俺とお兄ちゃんは2人して、気まづそうに顔を見合わせて謝った。