──────────俺は叶華をずっと、ずっと大好きだった。

女の子がどんなことしたら喜ぶのかずっと探してた。叶華が俺に振り向くまでずっと、ずっと考えていたんだ。

俺は上に5個年上のお兄ちゃんがいた。お兄ちゃんはいつも女の子を毎日入れ替わりに連れて来た。そんなお兄ちゃんのことを俺は尊敬していた。お兄ちゃんが連れてくる女の子はみんな笑顔でいて、うれしそうに帰って行くから。

あの時の俺はなんでお兄ちゃんが連れてくる女の子はみんな笑顔だったのか、大きくなってようやく気づいた。それはお兄ちゃんはいつも色んな女の子にセックスをしていたんだ。

気づいた俺は、それ以来にお兄ちゃんをかっこいいと思えなくなった。逆に恥ずかしい気持ちが募った。そんなお兄ちゃんを叶華の奏お兄さんは知っていた。それで奏お兄さんは俺を要注意人物と目に付けたんだ。俺のお兄ちゃんが遊び人じゃなければ、俺だって女好きの遊び人じゃなくなっていたかもしれないのに……。お兄ちゃんのせいだ…。

そしたら、叶華と穏やかにできたかもしれないのに。俺はそんな心の傷を抱え、孤独を味わった。どんなに誠実にいても、俺のお兄ちゃんを知られていて、遊び人だと思われる。それに、お兄ちゃんは有名なタレント俳優への道を切り開き、一躍有名人になった。そして、お兄ちゃんは番組業界で言ったんだ。

「俺は学生時代めっちゃ女の子と遊んでたんですよ!だから、俺の弟も遊び人です!」

と公に言った。それ以来、兎田 凛斗の弟はどれだけイケメンなのかなどという調査が始まり、俺は裏雑誌に載るようになった。

だから、俺の顔は世間にバレバレなんだ。純粋で穢れのない叶華を俺と一緒になって傷ついてほしくないんだ。