走るやつらが線引きされているところに横に立ち並ぶ。男子は手前からで女子は奥から。奥に並んでいる女子の方に目を向けた。そこには、叶華もいた。やった!と思ったと同時に俺は小さくガッツポーズをした。

どんどんと男女ともに混ざりあって行く。男子は余裕で女子のペースに追いついて行った。俺も余裕で叶華のいるところに追いついた。叶華を抜かして、後ろから叶華が追ってくる姿もかわいいけど、それじゃあ叶華にもしも何かあったら、助けることができない。だから、俺は叶華を抜かすことをやめた。そして、足のペースを落とす。すると、俺の横に並んで走って来たみつると話しながら走ることになった。

「何、紳スピード落としてるんだよー!」

「いいだろ。別に………」

みつるはカハハッと笑う。そして、みつるは何やらニヤけて言った。

「叶華ってさ、走ってる姿かわいいよな!…なぁ!もしかしてさ、いや、もしかしなくてさ、紳って叶華のこと………」

俺はハッとした。みつるにバレてる。驚きのあまり、俺はみつるから距離を離れるようにスピードを上げた。5周目に入ったところで叶華の足のもつれが酷くなってきた。そして、カーブするところで叶華は足をつまづきそうになった。俺は叶華が転ぶと思って、叶華に追いつき、倒れそうになる叶華を抱きとめた。