「ほら、早く。濡れるからここから入りな」
私の腕を優しくも、しっかりと掴む
彼の男の人らしい骨張った大きい手を
見つめながら
無心で歩いている間に
目的地に到着していたみたいだ。
顔を上げるとそこは
先程訪れた時には殺風景に見えた
彼のレストランだった。
彼に言われるがまま
屋根のある裏口から中に入った。
どこに身を置いて良いのかわからず
入り口から3歩入ったところに
突っ立っていたら
「うわっ」
いきなり目の前にタオルが飛んできた
「これで頭拭いときな
好きなとこ座ってていいから」
彼は私にタオルを投げ渡すと
私の方を見もせずに店の奥に入っていった。
広い店内
私はどこに座って良いかわからず
なんとなく
部屋の奥のカウンター席に座った。
「よいしょっ」
ここに来る前に渡された
メンズブランドの紙袋に入った私の荷物を
横の椅子に置こうとしたとき
以前優太の誕生日に来た時も
同じ席に座っていたことを思い出した。
「あの時もこの紙袋持ってる時に
シェフに声かけられたんだっけ…」
前回も今のように心がボロボロになっていたと
惨めな自分に呆れていた
「あんたまだ頭ふいてないの」
シェフがキッチン奥から食材を抱えて戻ってきた
そのまま呆れ顔で私の正面にくると
私に渡したタオルを強引に取り
わしゃわしゃと頭を拭いてくれた。
強引ながらも私を見つめる彼の目と
私に触れる手はとても優しく、暖かかった。
その暖かさが
私の冷えた心に染み渡り
気付けばもう
自分では制御出来ないほど
泣いていた。
私の腕を優しくも、しっかりと掴む
彼の男の人らしい骨張った大きい手を
見つめながら
無心で歩いている間に
目的地に到着していたみたいだ。
顔を上げるとそこは
先程訪れた時には殺風景に見えた
彼のレストランだった。
彼に言われるがまま
屋根のある裏口から中に入った。
どこに身を置いて良いのかわからず
入り口から3歩入ったところに
突っ立っていたら
「うわっ」
いきなり目の前にタオルが飛んできた
「これで頭拭いときな
好きなとこ座ってていいから」
彼は私にタオルを投げ渡すと
私の方を見もせずに店の奥に入っていった。
広い店内
私はどこに座って良いかわからず
なんとなく
部屋の奥のカウンター席に座った。
「よいしょっ」
ここに来る前に渡された
メンズブランドの紙袋に入った私の荷物を
横の椅子に置こうとしたとき
以前優太の誕生日に来た時も
同じ席に座っていたことを思い出した。
「あの時もこの紙袋持ってる時に
シェフに声かけられたんだっけ…」
前回も今のように心がボロボロになっていたと
惨めな自分に呆れていた
「あんたまだ頭ふいてないの」
シェフがキッチン奥から食材を抱えて戻ってきた
そのまま呆れ顔で私の正面にくると
私に渡したタオルを強引に取り
わしゃわしゃと頭を拭いてくれた。
強引ながらも私を見つめる彼の目と
私に触れる手はとても優しく、暖かかった。
その暖かさが
私の冷えた心に染み渡り
気付けばもう
自分では制御出来ないほど
泣いていた。


