西園寺先生は紡木さんに触れたい

「はーい…じゃあ、今日もやっていきますね〜…。」

次の日。

化学準備室へと続いているドアから出てきた西園寺のいつもよりやつれている顔に紡木は?を浮かべた。


その日も昨日西園寺が言っていた「勉強を頑張る子がタイプ」という言葉を鵜呑みにしてプリントに向き合う葵と、西園寺に弱みを握られて泣く泣くプリントに取り組む蓮に挟まれて、紡木はいたって真面目にプリントを進めていた。


しかしさすが素で100点満点中15点を取る紡木である。

一問ごとに「あ、紡木さん、ここはね。」と西園寺に止められて丁寧に解説をされた。


今まで真面目に授業を受けているだけでは全く理解ができなかった問題も、こうしてマンツーマンで教えてもらえると意外と簡単に理解ができて、自然と苦手意識がなくなってきていた。


先生の解説ってすごいわかりやすい。
…何で今まで理解できてなかったんだろう?



西園寺と補講、なんて聞いた時はどうなることかと憂鬱だったけど、始まってみれば葵や蓮がクッションになってくれて、難なくこなすことができた。


葵が先生のことが好きでちょっと助かった〜…。

…まあ私はいつか霧島くんにぶん殴られるかもしれないけど…。


そんな紡木の思いに葵は気づくはずもなく、プリントに黙々と取り組んでいた…かと思いきや、2日目にして早速飽きていた。