西園寺先生は紡木さんに触れたい


「あ、もうこの辺りかな?」


「あー、はい、…あ、ここで大丈夫です。」


気づけば西園寺が運転する車は、紡木の家の前に到着していた。

紡木は一つのアパートを指差して、西園寺に停まるようにお願いした。


「ここでいいかな。」


「はい、ありがとうございました。」


「ううん。僕が半ば強制的に送っただけだから。」


そう言って西園寺が笑みを浮かべると、紡木も確かに!と思い直した。


「あ、そうだ。もし保護者の方に何か言われたら、連絡欲しいから。」


そう言って西園寺はスマホを取り出すと、メッセージアプリのQRコードを開いた。


「えっ、いや、」


何かあったとしても、学校で直接言えばいいんじゃ…。


「学校じゃ周りの目が気になってなかなか話しかけられないでしょ?」


紡木の心の中の呟きを読み取ったかのように西園寺に言われると、紡木は言い返せず、少し迷った後に、自身もスマホを取り出して彼のQRを読み取った。