「じゃあさ、取り敢えず化学準備室で話そうよ。」


「な、な、なんで、準備室で、話す必要が、あるんですか!」


「ええ、だって…、紡木さんって化学の中間テスト、結構やばかったでしょ?
進学するにしても就職するにしても、今学期の成績ってかなり大事だし、救済措置を講じようと思って。」


紡木は西園寺が何かいかがわしいことを考えているのではないかと密かに警戒していたため、突然まともなことを言い出した彼に拍子抜けした。


「わ、わかりました…。」


そう言って彼女は大人しく西園寺について行くことにした。






「救済措置って、何なんですか?」


化学準備室に着き、椅子に座るとすかさず紡木は西園寺に聞いた。


「まあまあ、落ち着いて。」


そう言って西園寺は準備室に備え付けられている冷蔵庫からパックジュースを取り出して紡木の前に置いた。