「お化粧も眉毛とリップ塗るだけでそんなにしないし、上手じゃないし、服だって子供っぽいなって思うし…。

なんか、もっと千秋さんみたいに大人な女性になりたいんです!」


そして、もっと先生に見合う女性になりたい。


本当の年齢の差は埋められないから、せめて見た目だけでも…。


そう思って紡木は千秋にお願いをした。


千秋は紡木の言葉に少し考えた後、にやりと笑って「ふうん。」と意味ありげに呟いた。


「花奏ちゃん、今度の土曜日空いてる?」


千秋にそう聞かれた紡木は頭の中でスケジュールを確認してから「空いてます!」と返した。



「じゃあ、デートしよっか!」


「デ、デート!?」


「うん。お買い物デート!じゃあ、土曜日にまたこの駅前でいい?」


そう言って話を進める千秋に、紡木は一生懸命頷いた。