「私……男性経験ゼロなの。 彼氏もできたことないし、好きな人もできたことなかった。 偉そうに相談受けてたけど、ゼロなの!」 紡木の言葉に葵はポカンと口を開けて彼女を見つめていた。 「ゼ、ゼロ?」 「…うん、びっくりした?」 紡木は今まで騙されていたと知った葵が怒り出さないか心配で、ちらちらと彼女の表情を窺っていた。 「ま、まあ?…でもそんな事で悩んでたの?」 「え?…いや、それも関係あるんだけど…。」 紡木は想像以上に淡白な反応に安堵しつつも続けた。