「え?フランケンシュタイン…?クオリティ高!ウケる〜!」
ケラケラと笑いだす葵に、牧野は「うっす!」と返事をした後に、「あ!」と何かを思い出したかのような声を上げた。
「この方が霧島の彼女の〜…!」
牧野がそう言うと、紡木は気まずそうな表情を浮かべて「ちょっと、」と彼を制止した。
しかし周りが騒がしいからか聞こえてなかったようで、彼は「すげ〜卒業したら霧島と結婚するの?」と葵に質問した。
葵はというと「結婚?は?」と怒っているというよりは、困惑しているようだった。
「いや〜はは、」
「え?霧島って指輪を買うためにバイトしてるんだろ?」
適当に誤魔化して1秒でも早くこの場を去ろうとする紡木の思いも虚しく、牧野はあっけらかんとした顔でそう言った。
「は?何?なんのこと?」と更に困惑する葵に、「じゃ、じゃあね!…いこ、牧野くん!」と紡木は今度こそ颯爽と葵の目の前から姿を消した。
その後、シフトの交代の時間が迫ってきたので、牧野と紡木は教室へ戻っていった。
「なんかお腹すいたよね〜食べに行かない?」
顔はメイクを施したまま、クラスTシャツと制服のスカートを着用しているというなんとも異様なスタイルのまま、紡木と由梨は教室を出た。
「真衣ちゃん、うまくいくといいね。」
「だね。」
2人は顔を見合わせて、にやりと笑った。
実は真衣と牧野は、2人でポスターを作っている際に急に距離が近づいたのか、いつの間にか一緒に回る約束まで取り付けてたらしい。
「卒業したら真衣ちゃんは県外に行っちゃうから…付き合うとかなくても、いい思い出になったらいいよね。」
紡木の言葉に由梨も頷いた。
「…私も先生といい思い出作りたいなあ。」
そう切なげに呟く瞳に、紡木の心もキュッと切なくなった。

