西園寺先生は紡木さんに触れたい


屋上についた紡木は、運良く誰もいないベンチに腰をかけて一息つくとサンドイッチにかぶりついた。


今まで恋愛相談をするとかはあったけど
こうやって誰かの声を行動で応援することってなかったから…



「大変だなあ…恋って。」

「何言ってんの?」

「ひゃあっ!」


紡木がポツリと呟くと、後ろから急に声を掛けられて驚きのあまり声が出た紡木に、相手はクスクスと笑いながら隣に掛けた。


「…なんでここにいるんですか。」


自分の隣に座った西園寺を不満そうに睨みながら、紡木がそう聞くと、「なんでだろう?」と意地悪な笑みを浮かべた。


「由梨ちゃんは、どうしたんですか?」


紡木は西園寺から視線を外して正面に広がる空を睨みながらそう聞いた。


「吉田さんには教室に戻ってもらったよ。
流石に2人きりは…ね。いらぬ誤解を生んじゃうから。」

「…私たちだって今2人きりじゃないですか。誤解されますよ。」


わざわざ由梨を帰してまで自分を追ってきた西園寺に呆れもあったが、ちょっと嬉しく思ってしまって綻びそうになる口元をキュッと窄めて紡木はそう呟いた。