西園寺先生は紡木さんに触れたい


月曜日。
西園寺に卵焼きだけでなくお弁当まで作ってきた!と張り切って化学準備室に向かう由梨に、紡木は先に行くようにお願いして購買へと向かった。


本当は今日も自分でお弁当を作る予定だったけど…
由梨ちゃんの前で私が褒められてたらちょっと気まずいし、
買いに行っている間、2人きりになれるからいいよね。


そう考えているとあっという間に購買に着いて適当にサンドイッチを買うと、なるべくゆっくり化学準備室へと向かった。



軽く化学準備室の扉を叩いて「入りま〜す。」と声を掛けてから扉を開けると、丁度由梨が西園寺の口元に卵焼きを運んでいる所だった。


キラキラした目で『あーん』をする由梨と、口を開けている西園寺に紡木は開けたのが私で心底良かったね…と深くため息をついた。


「あっ、紡木さん…。」


運悪く『あーん』されている所を見られた西園寺が、気まずそうな顔をしているのが何だか急にムカついて、紡木は顔色を変えることなく少し遠くの椅子に座った。


なんで、今一瞬凄くイラッとしたんだろう…



…私以外の生徒とか先生に見られたら、西園寺先生の立場が危うくなるのに、危機感がないからだ。きっと、そうだ。


でも私が腹を立てるなんてお門違いだ。


そう思い直して紡木はサンドイッチを食べ始めた。


そんな紡木を西園寺は青ざめた顔で見つめていた。