「ケイト先生、いますか?」
次の日の昼休み。由梨と紡木は早速化学室を訪れた。
ドアの外から由梨が声をかけると、「入って〜。」と内側から西園寺の声がした。
「そこに適当に掛けて。」
中に入った2人を西園寺は一瞥するとパソコンに向かったまま、座りように促した。
「ごめんね、すぐ終わるから先に食べてて。」
「はあい。」
「すみません、忙しい時に…。」
西園寺の言葉に由梨は返事をしながらなるべく彼に近い場所に、紡木は申し訳なさそうにそう言うと由梨に気を遣って少し離れたところに座った。
2人がお弁当の包みを開けて食べ始めようとしたところで、西園寺もパソコンを閉じて立ち上がった。
そして小さい冷蔵庫の中からコンビニの袋を取り出すと2人の間に椅子を持ってきて腰を掛けた。
「ケイト先生、いつも昼食コンビニなんですか?」
「え?まあ、うん。一人暮らしだしね。」
由梨の問いかけに西園寺は笑いながらそう答えると、「吉田さんや紡木さんはお母様が作ってくれてるのかな?」と2人の色鮮やかなお弁当を見ながら言った。
西園寺の言葉に由梨は「そうですよ!お母さんに作ってもらってます!」と答えたが、紡木は否定も肯定もしなかった。

